GS1-128バーコードとMicrosoft Excel VBAを用いたISO 15189に対応する試薬管理システムの構築

当院は2014年,臨床検査室の品質と能力に関する要求事項を定めた国際規格ISO 15189:2012を取得した。ISO 15189:2012においては,検査に関わる全てのプロセスにトレーサビリティーが求められる。検体検査における試薬などについても厳密な管理が要求され,細かな記録が必要となる。当初,当検査室においては,記録用紙による手書き方法で運用を開始したが,手間や時間を要し,また記入漏れの発生もあった。我々はこれらの問題を解決すべく,GS1-128バーコードを用いた試薬管理システムを構築した。プログラムの開発には標準的な表計算ソフトであるMicrosoft Excelに標準搭載されているプロ...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 67; no. 3; pp. 353 - 359
Main Authors 志賀, 修一, 山本, 環, 一山, 智, 橋本, 誠司, 増田, 健太, 名古, 亜未
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.05.2018
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.17-138

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Summary:当院は2014年,臨床検査室の品質と能力に関する要求事項を定めた国際規格ISO 15189:2012を取得した。ISO 15189:2012においては,検査に関わる全てのプロセスにトレーサビリティーが求められる。検体検査における試薬などについても厳密な管理が要求され,細かな記録が必要となる。当初,当検査室においては,記録用紙による手書き方法で運用を開始したが,手間や時間を要し,また記入漏れの発生もあった。我々はこれらの問題を解決すべく,GS1-128バーコードを用いた試薬管理システムを構築した。プログラムの開発には標準的な表計算ソフトであるMicrosoft Excelに標準搭載されているプログラム言語Visual Basic for Applicationsを用いた。記録の記入をバーコードとプログラムで自動化させることで,記録作業の効率化が図られ,記入ミスなども防ぐことができるようになった。また,データが電子化されたことで,期限切れ試薬の使用などのミスの削減,また発注作業の効率化を実現した。正確で安全な臨床検査サービスの提供には,試薬の発注・在庫管理,ロット番号や使用期限の管理,使用開始日・使用終了日などの記録が欠かせない。これらの記録業務を効率よく実施できることで,検査業務が円滑に遂行できることが期待される。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-138