80歳以上の高齢者肺結核におけるPZA併用治療の検討
〔背景〕本邦では,80歳以上の高齢結核患者ではPZAを併用しないほうが無難との考えからINH,RFP,EBの3剤で治療されることが多い。しかし,治療期間が6カ月から9カ月に延びてしまう弊害や,実際に80歳前後の患者をどう扱うかとの疑問が残る。〔目的〕PZAを併用した初期強化短期化学療法が行われた80歳以上の高齢結核患者と,80歳未満の患者での肝障害発生頻度を比較した。〔方法〕2011年6月より2012年3月までに横浜市立大学附属病院結核病棟へ入院となり,肝硬変やC型慢性肝炎等の肝障害の合併がなく,INH,RFP,EB,PZAの4剤で治療が開始された患者を対象とし,PZA併用中の肝障害出現頻度を...
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Published in | Kekkaku(Tuberculosis) Vol. 88; no. 3; pp. 297 - 300 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本結核病学会
2013
日本結核病学会 JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS |
Subjects | |
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ISSN | 0022-9776 1884-2410 |
DOI | 10.11400/kekkaku.88.297 |
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Summary: | 〔背景〕本邦では,80歳以上の高齢結核患者ではPZAを併用しないほうが無難との考えからINH,RFP,EBの3剤で治療されることが多い。しかし,治療期間が6カ月から9カ月に延びてしまう弊害や,実際に80歳前後の患者をどう扱うかとの疑問が残る。〔目的〕PZAを併用した初期強化短期化学療法が行われた80歳以上の高齢結核患者と,80歳未満の患者での肝障害発生頻度を比較した。〔方法〕2011年6月より2012年3月までに横浜市立大学附属病院結核病棟へ入院となり,肝硬変やC型慢性肝炎等の肝障害の合併がなく,INH,RFP,EB,PZAの4剤で治療が開始された患者を対象とし,PZA併用中の肝障害出現頻度を比較検討した。〔結果〕80歳未満は28名,80歳以上は8名であった。肝障害出現による治療中断は80歳未満で4名(14.3%)認められ,80歳以上では1名(12.5%)であった。〔結論〕80歳以上の高齢者における肝障害出現頻度は80歳未満の患者と同程度であり,PZA併用初期強化短期化学療法を行うことが望ましいと考えられた。 |
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ISSN: | 0022-9776 1884-2410 |
DOI: | 10.11400/kekkaku.88.297 |