一般地域在住中高年齢者における耳鳴の頻度と睡眠状態・抑うつの関連について
地域住民から年齢・性別に層化した無作為抽出を行った2,142名の男女 (40-79歳) において、自記式問診票を用いて耳鳴の頻度と睡眠状態・抑うつとの関連を検討した。 耳鳴有は男性416名 (38.5%)、女性346名 (32.6%) で、男性に有意に多かった (p=0.005)。耳鳴が睡眠状態・抑うつに及ぼす影響につき年齢、聴力、各種既往歴・肥満の有無を調整したロジスティック解析を行うと男女共に有意に入眠困難 (男性: OR 1.61 女性: 1.75)、中途覚醒 (男性: OR 1.57 女性: 1.68)、夢をみる (男性: OR 1.81 女性: 1.56)、抑うつ (男性: OR 1...
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Published in | Otology Japan Vol. 23; no. 5; pp. 854 - 860 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳科学会
2013
日本耳科学会 Japan Otological Society |
Subjects | |
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ISSN | 0917-2025 1884-1457 |
DOI | 10.11289/otoljpn.23.854 |
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Summary: | 地域住民から年齢・性別に層化した無作為抽出を行った2,142名の男女 (40-79歳) において、自記式問診票を用いて耳鳴の頻度と睡眠状態・抑うつとの関連を検討した。 耳鳴有は男性416名 (38.5%)、女性346名 (32.6%) で、男性に有意に多かった (p=0.005)。耳鳴が睡眠状態・抑うつに及ぼす影響につき年齢、聴力、各種既往歴・肥満の有無を調整したロジスティック解析を行うと男女共に有意に入眠困難 (男性: OR 1.61 女性: 1.75)、中途覚醒 (男性: OR 1.57 女性: 1.68)、夢をみる (男性: OR 1.81 女性: 1.56)、抑うつ (男性: OR 1.90 女性: 1.79) でのオッズ比が高く、熟睡感 (男性: OR 0.74 女性: 0.62)では低かった。また女性では耳鳴有の群で有意に睡眠時間の短縮を認めた (p=0.006)。一般地域住民において耳鳴と睡眠障害・抑うつは密接な関係があることが示唆された。 |
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ISSN: | 0917-2025 1884-1457 |
DOI: | 10.11289/otoljpn.23.854 |