診断に難渋した下肢痛に対してサーモグラフィー検査が有効であった類骨骨腫

「I はじめに」 類骨骨腫は, 消炎鎮痛剤が有効な夜間痛を特徴とする, 骨形成性の良性腫瘍である. 今回われわれは, 診断に難渋した類骨骨腫による痛みについて, サーモグラフィー検査を契機に診断しえた症例を経験したので報告する. 「II 症例」 19歳, 男性. 職業:塗装業. 既往歴としてX-2年4月, 近医にて左鼠径部の良性腫瘤に対し, 摘出術が施行された. 術後痛は遷延なく回復した. X-2年秋より, 主に夜間に左足底の痛みが出現した. 複数の近医整形外科を受診するも原因はわからず, ロキソプロフェン頓服にて経過観察とされていた. ロキソプロフェンで痛みはほぼ消失した. X-1年頃から,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 21; no. 4; pp. 542 - 544
Main Authors 森本, 裕二, 橋本, 聡一, 敦賀, 健吉, 内田, 洋介, 加藤, 類, 長谷, 徹太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 2014
日本ペインクリニック学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.13-0037

Cover

More Information
Summary:「I はじめに」 類骨骨腫は, 消炎鎮痛剤が有効な夜間痛を特徴とする, 骨形成性の良性腫瘍である. 今回われわれは, 診断に難渋した類骨骨腫による痛みについて, サーモグラフィー検査を契機に診断しえた症例を経験したので報告する. 「II 症例」 19歳, 男性. 職業:塗装業. 既往歴としてX-2年4月, 近医にて左鼠径部の良性腫瘤に対し, 摘出術が施行された. 術後痛は遷延なく回復した. X-2年秋より, 主に夜間に左足底の痛みが出現した. 複数の近医整形外科を受診するも原因はわからず, ロキソプロフェン頓服にて経過観察とされていた. ロキソプロフェンで痛みはほぼ消失した. X-1年頃から, 痛みは徐々に近位に広がり, 下腿から大腿へと及んだ. 近医ペインクリニックを受診し, 静脈内局所ブロックが1度行われたが, その後, 痛みが悪化したため, 通院を取り止めた. その後, 荷重時の痛みも出現し, 精査目的に近医リウマチ科に入院することになった.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.13-0037