橈側皮静脈穿刺時の橈骨神経損傷リスクについてのボランティア研究

「I はじめに」静脈穿刺は日常的医療行為であるが, 神経損傷のリスクを伴っており, 一度神経損傷を起こすと, 1年以内の治癒率は23%と低く, 永続的障害が残る場合がある. 一般に点滴実施時には, 橈骨神経浅枝が橈側皮静脈と近接して走行するため, 橈骨茎状突起から中枢12cmの範囲の橈側皮静脈は神経損傷の危険性が高く, 穿刺は避けるべきとされている. このような皮静脈に伴行する皮神経の走行に関する報告は, ほとんどが解剖体を使用したものであり, 生体での報告はほぼ見当たらない. 今回, ボランティアに超音波装置を当て, ペン型経皮神経刺激装置で知覚領域を確認し, 神経を同定するという方法で,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 27; no. 4; pp. 340 - 342
Main Authors 岡村, 圭子, 安藤, 一義, 小森, 万希子, 小高, 光晴, 後藤, 沙彩, 田畑, 春奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.10.2020
日本ペインクリニック学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.20-0007

Cover

More Information
Summary:「I はじめに」静脈穿刺は日常的医療行為であるが, 神経損傷のリスクを伴っており, 一度神経損傷を起こすと, 1年以内の治癒率は23%と低く, 永続的障害が残る場合がある. 一般に点滴実施時には, 橈骨神経浅枝が橈側皮静脈と近接して走行するため, 橈骨茎状突起から中枢12cmの範囲の橈側皮静脈は神経損傷の危険性が高く, 穿刺は避けるべきとされている. このような皮静脈に伴行する皮神経の走行に関する報告は, ほとんどが解剖体を使用したものであり, 生体での報告はほぼ見当たらない. 今回, ボランティアに超音波装置を当て, ペン型経皮神経刺激装置で知覚領域を確認し, 神経を同定するという方法で, 橈骨神経浅枝と橈側皮静脈の走行関係を観察した. なお, 本報告は東京女子医科大学倫理委員会(承認番号4679, 承認日2018.3.1)承認後, 文書にて承諾を得た(UMIN 登録番号39646).
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.20-0007