自動分析装置を用いた「ナノピアTDMテイコプラニン」の基礎的検討及び血液由来成分の影響
テイコプラニンteicoplanin(TEIC)はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌Methicilin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)を含むグラム陽性菌に対して抗菌活性を有しており,「抗菌薬TDMガイドライン」にて治療薬物モニタリングtherapeutic drug monitoring(TDM)の実施が勧められている.今回我々はテイコプラニン測定試薬「ナノピアTDMテイコプラニン」の基礎的検討及びC反応性蛋白C-reactive protein(CRP),総コレステロール,リウマトイド因子の影響について検討した.同時再現性では変動係数C.V. 1.60...
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Published in | 医学検査 Vol. 63; no. 4; pp. 471 - 478 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.07.2014
日本臨床衛生検査技師会 |
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Summary: | テイコプラニンteicoplanin(TEIC)はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌Methicilin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)を含むグラム陽性菌に対して抗菌活性を有しており,「抗菌薬TDMガイドライン」にて治療薬物モニタリングtherapeutic drug monitoring(TDM)の実施が勧められている.今回我々はテイコプラニン測定試薬「ナノピアTDMテイコプラニン」の基礎的検討及びC反応性蛋白C-reactive protein(CRP),総コレステロール,リウマトイド因子の影響について検討した.同時再現性では変動係数C.V. 1.60%~6.59%,日差再現性ではC.V. 0.46%~11.95%となり,いずれもテイコプラニン濃度10 μg/mL付近の低濃度域で若干高めであった.希釈直線性は良好であり,100 μg/mLまでプロゾーン現象はなく,共存物質の影響はみられなかった.添加回収試験の結果,CRP,コレステロール,リウマトイド因子に関して,テイコプラニン測定値への影響は確認されなかった.また生理食塩水を用いた希釈では測定値が低値化することが示唆され,検体希釈の際は専用希釈液またはテイコプラニン濃度0 μg/mLのプール血清を用いるのがよいと考えられた.蛍光偏光免疫測定法Fluorescence Polarization Immunoassay(FPIA)との相関性は相関係数r = 0.986,回帰式y = 0.94x + 1.87と良好であった. |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.13-110 |