状態自尊感情尺度の開発

本研究の目的は,状態自尊感情尺度の開発である。尺度は,Rosenberg (1965) の自尊感情尺度(山本・松井・山成,1982)を参考にして作成された。研究1では,尺度が高い内的一貫性を有することが明らかにされた。また,状態自尊感情は他者から受容もしくは拒否されているといった感覚と関連することが示された。研究2では,評価的フィードバックを用いた実験を行なった。その結果,肯定的な評価に伴って状態自尊感情は上昇し,否定的な評価に伴って状態自尊感情は低下することが明らかにされた。研究3においては,構成概念妥当性の検討のために不安との関連を検討したところ,状態自尊感情と状態不安との間に有意な負の相...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inパーソナリティ研究 Vol. 16; no. 1; pp. 36 - 46
Main Authors 阿部, 美帆, 今野, 裕之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 2007
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究の目的は,状態自尊感情尺度の開発である。尺度は,Rosenberg (1965) の自尊感情尺度(山本・松井・山成,1982)を参考にして作成された。研究1では,尺度が高い内的一貫性を有することが明らかにされた。また,状態自尊感情は他者から受容もしくは拒否されているといった感覚と関連することが示された。研究2では,評価的フィードバックを用いた実験を行なった。その結果,肯定的な評価に伴って状態自尊感情は上昇し,否定的な評価に伴って状態自尊感情は低下することが明らかにされた。研究3においては,構成概念妥当性の検討のために不安との関連を検討したところ,状態自尊感情と状態不安との間に有意な負の相関が示された。以上から,状態自尊感情尺度の信頼性および妥当性が確認された。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.16.36