新方式による非心臓手術術前循環器スクリーニングシートの使用経験と有用性

2007年American Heart Association (AHA) とAmerican College of Cardiology (ACC) により非心臓手術の周術期管理ガイドラインが発表された. このガイドラインの有用性を損なわず, さらに簡便な方法で非心臓手術術前評価を行うため, 術前評価用スクリーニングシート (Kyorin Cardiac Perioperative Screening ; KCPS) を作成し, これを評価した. 2009年1月から4月に杏林大学形成外科で全身麻酔によって行われた非小児手術患者の237名 (男性110例, 年齢47±17歳) を対象とした....

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Published in心臓 Vol. 46; no. 8; pp. 1071 - 1079
Main Authors 谷合, 誠一, 山崎, 聡子, 飯島, 毅彦, 萬, 知子, 井原, 玲, 波利井, 清紀, 佐藤, 徹, 吉野, 秀朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
日本心臓財団・日本循環器学会
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Summary:2007年American Heart Association (AHA) とAmerican College of Cardiology (ACC) により非心臓手術の周術期管理ガイドラインが発表された. このガイドラインの有用性を損なわず, さらに簡便な方法で非心臓手術術前評価を行うため, 術前評価用スクリーニングシート (Kyorin Cardiac Perioperative Screening ; KCPS) を作成し, これを評価した. 2009年1月から4月に杏林大学形成外科で全身麻酔によって行われた非小児手術患者の237名 (男性110例, 年齢47±17歳) を対象とした. 手術前にKCPSを使用し, この結果をフローチャートでCategory 1~4 (以下C1~C4) に分類した. C3とC4に該当する症例は循環器内科で評価した. 237例中177例 (75%) でKCPSを使用した. C1 166例, C2 4例, C3 1例, C4 6例であった. 14例が循環器内科を受診し, いずれも問診, 負荷検査を行ったうえで手術を施行した. この方法で術後にイベントを発生したものは2例 (発作性心房細動, 無症候性ST変化) のみであった. KCPSによる非心臓手術術前評価スクリーニングは, 非心臓外科手術の術前循環器評価を簡便かつスムーズに行う有用な方法であると示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.1071