偏性嫌気性菌Bacteroides spp.とClostridium spp.における全自動迅速感受性検査法RAISUS ANYの有用性

近年,嫌気性菌の薬剤耐性化が問題となってきており,ルーチン検査における感受性試験の重要性が増している。そこで,目視判定を行う栄研ドライプレート(従来法)と全自動迅速同定感受性測定システムRAISUS ANY(ライサス法)を用いてBacteroides spp. 68株,Clostridium spp. 43株の計111株の薬剤感受性検査を行い,検査法や菌種による差が認められるかを確認した。その結果,従来法とライサス法に共通の9薬剤での±1管差内一致率はBacteroides spp.: 87%~100%,Clostridium spp.: 63%~100%,CLSIカテゴリー一致率はBacte...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 68; no. 1; pp. 40 - 48
Main Authors 長尾, 美紀, 山本, 正樹, 樋口, 武史, 松村, 康史, 一山, 智, 柚木, 知之, 濱野, 京子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2019
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.17-142

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Summary:近年,嫌気性菌の薬剤耐性化が問題となってきており,ルーチン検査における感受性試験の重要性が増している。そこで,目視判定を行う栄研ドライプレート(従来法)と全自動迅速同定感受性測定システムRAISUS ANY(ライサス法)を用いてBacteroides spp. 68株,Clostridium spp. 43株の計111株の薬剤感受性検査を行い,検査法や菌種による差が認められるかを確認した。その結果,従来法とライサス法に共通の9薬剤での±1管差内一致率はBacteroides spp.: 87%~100%,Clostridium spp.: 63%~100%,CLSIカテゴリー一致率はBacteroides spp.: 78%~100%,Clostridium spp.: 51%~100%であった。Bacteroides spp.におけるCTXおよびMFLX,Clostridium spp.におけるCLDMにおいて判定誤差があった。これは従来法において耐性菌のMIC値判定によるヒューマンエラーが関与しているものと考えられた。一方で,ライサス法は,客観性に富む検査法であり,機器による判定により個人差がなくなることから,ルーチン検査において有用であると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-142