神経根ブロックの際に椎間板も同時に造影された1症例

「I はじめに」 神経根ブロックの合併症として深穿刺による椎間板穿刺があり, 椎間板のみが造影される. しかし, 神経根と椎間板が同時に造影されたという文献は見あたらない. 今回, 神経根ブロックの際に神経根と椎間板が同時に造影された症例を経験したので, これを報告する. 「II 症例」 80歳代, 女性. 2年前より右鼠径部痛, 大腿部痛があり近医受診し, 腰椎(L)2/3, 3/4, 4/5椎間板ヘルニア, およびL3, L4圧迫骨折を指摘されていた. 数日前より鼡径部痛が増悪したため, 痛みの管理目的で当科に紹介受診となった. 初診時より右L1および右L3~4領域の痛みが強く, 安静時は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 21; no. 4; pp. 539 - 541
Main Authors 岩瀬, 直人, 西山, 隆久, 宮下, 亮一, 福井, 秀公, 内野, 博之, 大瀬戸, 清茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 2014
日本ペインクリニック学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「I はじめに」 神経根ブロックの合併症として深穿刺による椎間板穿刺があり, 椎間板のみが造影される. しかし, 神経根と椎間板が同時に造影されたという文献は見あたらない. 今回, 神経根ブロックの際に神経根と椎間板が同時に造影された症例を経験したので, これを報告する. 「II 症例」 80歳代, 女性. 2年前より右鼠径部痛, 大腿部痛があり近医受診し, 腰椎(L)2/3, 3/4, 4/5椎間板ヘルニア, およびL3, L4圧迫骨折を指摘されていた. 数日前より鼡径部痛が増悪したため, 痛みの管理目的で当科に紹介受診となった. 初診時より右L1および右L3~4領域の痛みが強く, 安静時はvisual analogue scale(VAS):30~50/100mmで, 体動時はVAS:90~100/100であった. 痛みの性質は持続痛で, 発作痛やアロディニアはなく, 右下肢は感覚低下としびれを伴っていた. 初診日から3日後に, 右L4神経根ブロックを斜位法で施行した.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.13-0038