僧帽筋へのトリガーポイント注射における注入部位の検討
【目的】筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)に対する代表的な治療はトリガーポイント(TP)への局所麻酔薬注入(トリガーポイント注射:TPI)である.今回,TPIの有効性を筋肉内と筋膜間で比較検討した.【方法】僧帽筋にTPを有するMPS患者50例を対象とした.超音波診断装置を利用して僧帽筋の筋肉内のTPに注入した群(M群)25例と僧帽筋と棘上筋の筋膜間に注入した群(F群)25例の2群にランダム化割り付けした.注入は1週間ごとに計4回行い,痛みの評価にはnumerical rating scale(NRS)を使用した.【結果】M群,F群とも初回のTPIにより有意にNRSは低下し(それぞれp<0.001)...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 149 - 154 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
25.06.2020
日本ペインクリニック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1340-4903 1884-1791 |
DOI | 10.11321/jjspc.20-0003 |
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Summary: | 【目的】筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)に対する代表的な治療はトリガーポイント(TP)への局所麻酔薬注入(トリガーポイント注射:TPI)である.今回,TPIの有効性を筋肉内と筋膜間で比較検討した.【方法】僧帽筋にTPを有するMPS患者50例を対象とした.超音波診断装置を利用して僧帽筋の筋肉内のTPに注入した群(M群)25例と僧帽筋と棘上筋の筋膜間に注入した群(F群)25例の2群にランダム化割り付けした.注入は1週間ごとに計4回行い,痛みの評価にはnumerical rating scale(NRS)を使用した.【結果】M群,F群とも初回のTPIにより有意にNRSは低下し(それぞれp<0.001),両群間に有意差はなかった(p=0.766).TPIの繰り返しでは,時間の経過に伴いNRSの変化量に群間差が開いた(p=0.016).【結論】初回TPIの効果は僧帽筋の筋肉内注入,僧帽筋直下の筋膜間注入であっても有効であった.TPIの繰り返しによる効果は僧帽筋直下の筋膜間注入のほうが有効であった. |
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ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
DOI: | 10.11321/jjspc.20-0003 |