食肉目研究における法的手続き

「1. はじめに」日本において野生動物の調査・研究を行うには国内法規を遵守しなければならない. しかし野生動物の研究を志向している我々の多くは“法律が苦手”というのが本音ではないだろうか. 関連法規の解説書は一般図書として入手可能であるが行政担当者が使用することを前提としており, 調査・研究に的を絞ったものは望むべくもない(自然法令研究会(監), 1972a, b;野生生物保護行政研究会(編), 2003). そうした状況の中, 本誌上で池田, 花井両氏によって哺乳類の捕獲に関する法令の解説が為されたのは1988年のことである(池田・花井, 1988). 多くの人がこの解説を参考に調査を進めた...

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Published in哺乳類科学 Vol. 44; no. 1; pp. 59 - 73
Main Author 竹内, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本哺乳類学会 2004
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ISSN0385-437X
1881-526X
DOI10.11238/mammalianscience.44.59

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Summary:「1. はじめに」日本において野生動物の調査・研究を行うには国内法規を遵守しなければならない. しかし野生動物の研究を志向している我々の多くは“法律が苦手”というのが本音ではないだろうか. 関連法規の解説書は一般図書として入手可能であるが行政担当者が使用することを前提としており, 調査・研究に的を絞ったものは望むべくもない(自然法令研究会(監), 1972a, b;野生生物保護行政研究会(編), 2003). そうした状況の中, 本誌上で池田, 花井両氏によって哺乳類の捕獲に関する法令の解説が為されたのは1988年のことである(池田・花井, 1988). 多くの人がこの解説を参考に調査を進めたものと思う. もちろん私もその一人である. 当時鳥獣の捕獲を規定していた「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」は, その後1994年の狩猟対象種の変更や2002年度からの第9次鳥獣保護事業計画の実施等という経過を経て, 2002年7月に法の全部が改正され「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(以下, 鳥獣法)となった.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.44.59