健康状態の低下した日本人高齢者における適応的受容と幸福観―M-GTAによる中核・拡張モデルの試案

「目的」令和3年版高齢社会白書 (内閣府, 2021) では, 高齢化率 (総人口に占める65歳以上人口の割合) が世界的に上昇していること, 1950年の5.1%から2020年には9.3%になったことを指摘し, 次のように述べている. この上昇は今後の半世紀に急速に進み, 2060年に17.8%まで上昇する見込みである. これまで高齢化が進行してきた先進地域のみならず, 開発途上地域においても, 高齢化の急速な進展が見込まれる. 特に日本の高齢化は深刻で, 世界的に最も高い水準となった2005年以降も上昇を続け, 2020年には28.8%に達した. 日本の高齢化率は今後も上昇し, 2065年...

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Published in応用心理学研究 Vol. 48; no. 3; pp. 158 - 167
Main Authors 田中, 共子, 沼, 柊門
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用心理学会 31.03.2023
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Summary:「目的」令和3年版高齢社会白書 (内閣府, 2021) では, 高齢化率 (総人口に占める65歳以上人口の割合) が世界的に上昇していること, 1950年の5.1%から2020年には9.3%になったことを指摘し, 次のように述べている. この上昇は今後の半世紀に急速に進み, 2060年に17.8%まで上昇する見込みである. これまで高齢化が進行してきた先進地域のみならず, 開発途上地域においても, 高齢化の急速な進展が見込まれる. 特に日本の高齢化は深刻で, 世界的に最も高い水準となった2005年以降も上昇を続け, 2020年には28.8%に達した. 日本の高齢化率は今後も上昇し, 2065年には38.4%に達して, 国民の約2.6人に1人が65歳以上となると推計される. 老いる過程において我々は, 心身の衰えや家族, 友人の喪失などを経験する. このように厳しいことが重なっていく中で, 老いてもなお幸福でいられるにはどうしたらよいのか.
ISSN:0387-4605
2433-7633
DOI:10.24651/oushinken.48.3_158