強迫性緩慢を呈する男性への訪問形態の行動療法

【ケース概要】クライアント(以下, Cl.): 20代男性. 2歳離れた妹, 父, 母と4人暮らし. 幼児期に, 地元の保健センターで広汎性発達障がいと診断された. 中学1年生の秋頃から, 入浴や排泄の時間が長くなった. 起床や更衣, 移動などの意図的な行動を起こそうとすると, そうする前にじっと止まっていたり同じ行動を繰り返すようになった. 常同行動は更衣やドアの開閉, 部屋から別の部屋への移動, ゲームや動画の視聴, 摂食などで出やすかった. 登校準備にも時間がかかり, 不登校になった. 排泄にかかる時間が長くなったため, おしめをつけるようになった. 予定に合わすことも不可能で, 外出も...

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Published in行動療法研究 Vol. 43; no. 3; pp. 212 - 213
Main Author 平田, 祐也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.09.2017
日本認知・行動療法学会
Japanese Association for Behavioral and Cognitive Therapies( JABCT )
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.430306

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Summary:【ケース概要】クライアント(以下, Cl.): 20代男性. 2歳離れた妹, 父, 母と4人暮らし. 幼児期に, 地元の保健センターで広汎性発達障がいと診断された. 中学1年生の秋頃から, 入浴や排泄の時間が長くなった. 起床や更衣, 移動などの意図的な行動を起こそうとすると, そうする前にじっと止まっていたり同じ行動を繰り返すようになった. 常同行動は更衣やドアの開閉, 部屋から別の部屋への移動, ゲームや動画の視聴, 摂食などで出やすかった. 登校準備にも時間がかかり, 不登校になった. 排泄にかかる時間が長くなったため, おしめをつけるようになった. 予定に合わすことも不可能で, 外出もしなくなった. 入浴にも時間がかかるため, 母親が体を拭いて清潔を保つようになった. X-3年にはベッドから出ることも常同行動のきっかけになり, 立ち上がることを避け, ベッドで寝たきりになった.
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.430306