著明な有窓化を伴った大動脈四尖弁の1例

症例は65歳男性で, 進行する労作時息切れを主訴に精査を受け, 大動脈四尖弁に伴う重症大動脈弁閉鎖不全症と診断され, 手術適応と判断された. 手術所見では四弁尖がほぼ均等なタイプで, 弁尖の線維性肥厚による接合不全が弁閉鎖不全の原因と考えられた. 4つの交連部に高度の有窓化 (fenestration形成) が認められたが, 心エコー所見からは弁閉鎖不全とは関連無いものと思われた. 生体弁による大動脈弁人工弁置換術が行われ, 術後経過はスムースであった. 大動脈弁の有窓化の成因はいまだ十分に解明されていないが, 機械的要因の関与が推測されている. 大動脈四尖弁の有窓化に言及した論文は少ないため...

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Published inShinzo Vol. 46; no. 8; pp. 1090 - 1093
Main Authors 北原, 博人, 内野, 学, 岩澤, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.46.1090

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Summary:症例は65歳男性で, 進行する労作時息切れを主訴に精査を受け, 大動脈四尖弁に伴う重症大動脈弁閉鎖不全症と診断され, 手術適応と判断された. 手術所見では四弁尖がほぼ均等なタイプで, 弁尖の線維性肥厚による接合不全が弁閉鎖不全の原因と考えられた. 4つの交連部に高度の有窓化 (fenestration形成) が認められたが, 心エコー所見からは弁閉鎖不全とは関連無いものと思われた. 生体弁による大動脈弁人工弁置換術が行われ, 術後経過はスムースであった. 大動脈弁の有窓化の成因はいまだ十分に解明されていないが, 機械的要因の関与が推測されている. 大動脈四尖弁の有窓化に言及した論文は少ないため報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.1090