全自動便中ヒトヘモグロビン分析装置“HM-JACKarc®”の基礎的性能評価
我が国の大腸がんの罹患数,死亡数は増加傾向にあり,死亡率を減らすには早期発見・早期治療が最も重要である。今回我々は,全自動便中ヒトヘモグロビン分析装置HM-JACKarc®の基礎的検討を行った。同時再現性では低濃度(平均値47.6 ng/mL)の変動係数(CV)0.6%,高濃度(平均値212.2 ng/mL)のCV 1.6%,日差再現性では低濃度(平均値48.9 ng/mL)のCV 3.6%,高濃度(平均値207.8 ng/mL)のCV 5.2%,最小検出感度は4.0 ng/mL,希釈直線性は400 ng/mLまで良好な直線性を示した。キャリーオーバーの検討において,ヘモグロビン濃度理論値36...
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Published in | Japanese Journal of Medical Technology Vol. 67; no. 3; pp. 328 - 333 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.05.2018
日本臨床衛生検査技師会 Japanese Association of Medical Technologists |
Subjects | |
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ISSN | 0915-8669 2188-5346 |
DOI | 10.14932/jamt.17-135 |
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Summary: | 我が国の大腸がんの罹患数,死亡数は増加傾向にあり,死亡率を減らすには早期発見・早期治療が最も重要である。今回我々は,全自動便中ヒトヘモグロビン分析装置HM-JACKarc®の基礎的検討を行った。同時再現性では低濃度(平均値47.6 ng/mL)の変動係数(CV)0.6%,高濃度(平均値212.2 ng/mL)のCV 1.6%,日差再現性では低濃度(平均値48.9 ng/mL)のCV 3.6%,高濃度(平均値207.8 ng/mL)のCV 5.2%,最小検出感度は4.0 ng/mL,希釈直線性は400 ng/mLまで良好な直線性を示した。キャリーオーバーの検討において,ヘモグロビン濃度理論値360,000 ng/mLまで0濃度試料測定1回目でcut off値(30 ng/mL)を超えることはなかったが,異常高値の検体においてのキャリーオーバーの影響は完全に否定できない結果であった。しかし,これらについては運用や検査システム等の活用で十分回避できるものであると思われた。プロゾーン試験では測定上限の400 ng/mLを下回ることはなかった。従来機器との相関は,線形関係式y = 0.957x − 0.421,相関係数0.995,一致率は96.6%であった。操作法も簡便で,日常検査において迅速に,精確な検査結果を臨床へ提供することが可能であり,大腸がんのスクリーニング検査に有用な装置であると考えられた。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.17-135 |