創薬・化学研究における化合物・相互作用情報の活用 ~ケモインフォマティクスからの試み

「ケモインフォマティクスという研究分野を知っていますか?」と聞いても, 「何か情報とかコンピュータが関係あるの?」とか, 「バイオインフォマティクスみたいなもの?」などの答えが精々で, 何となくでもこの研究分野を「知っている」と答えられる方はそこまでいないことが現状であろう. 一方で, バイオインフォマティクスとは? と聞かれると, その詳細まではともかく, 名前ぐらいはご存じの方は多いかと思う. この両者の差異については, かなり大雑把に言えば情報学的手法・手段(コンピュータ)を使って, 化学の研究を行うか生物学の研究を行うかといった程度のものなのだが, 化学と生物学に携わる研究者人口の差も...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 1; pp. 95 - 96
Main Authors 金子, 弘昌, 中村, 真也, 川下, 理日人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2016
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.15-00230-F

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Summary:「ケモインフォマティクスという研究分野を知っていますか?」と聞いても, 「何か情報とかコンピュータが関係あるの?」とか, 「バイオインフォマティクスみたいなもの?」などの答えが精々で, 何となくでもこの研究分野を「知っている」と答えられる方はそこまでいないことが現状であろう. 一方で, バイオインフォマティクスとは? と聞かれると, その詳細まではともかく, 名前ぐらいはご存じの方は多いかと思う. この両者の差異については, かなり大雑把に言えば情報学的手法・手段(コンピュータ)を使って, 化学の研究を行うか生物学の研究を行うかといった程度のものなのだが, 化学と生物学に携わる研究者人口の差もあり, そのような認識の差があることは致し方ないところであろう. それはさておき, ケモインフォマティクスがどのような分野かを簡潔に述べると, コンピュータを利用して分子構造・反応などの化学に関する情報を処理・活用する分野であり, ここには化合物の構造・反応データベースの構築や定量的構造活性相関, 分子モデリングなどの研究を始め, 広義には量子化学計算や分子動力学計算などの計算化学なども含まれている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.15-00230-F