急激に僧帽弁逆流が進行した二次孔心房中隔欠損の1例

二次孔心房中隔欠損 (atrial septal defect ; ASD) に合併した僧帽弁逆流 (MR) が急激に進行し, 心不全をきたした症例を経験した. 症例は10歳女児. 5歳時に心雑音を指摘され, 近医を受診してASD, 軽度のMRと診断された. ASDに対してカテーテル治療を希望し, 至適体重まで待機中に, 経済的理由により病院を受診しなかった. 10歳で, 全身倦怠感, 起坐呼吸が出現し, 胸部X線写真では, 心胸郭比が80%と心拡大を認め, 心臓カテーテル検査では, 肺体血流比は5.1で, 重度のMRと肺高血圧を認めた. 外科的にASD閉鎖術および僧帽弁人工弁置換術を施行した...

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Published in心臓 Vol. 47; no. 5; pp. 584 - 590
Main Authors 星野, 真介, 谷口, 由紀, 津田, 悦子, 北野, 正尚, 山田, 修, 古川, 央樹, 宗村, 純平, 中川, 雅生, 西島, 節子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
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Summary:二次孔心房中隔欠損 (atrial septal defect ; ASD) に合併した僧帽弁逆流 (MR) が急激に進行し, 心不全をきたした症例を経験した. 症例は10歳女児. 5歳時に心雑音を指摘され, 近医を受診してASD, 軽度のMRと診断された. ASDに対してカテーテル治療を希望し, 至適体重まで待機中に, 経済的理由により病院を受診しなかった. 10歳で, 全身倦怠感, 起坐呼吸が出現し, 胸部X線写真では, 心胸郭比が80%と心拡大を認め, 心臓カテーテル検査では, 肺体血流比は5.1で, 重度のMRと肺高血圧を認めた. 外科的にASD閉鎖術および僧帽弁人工弁置換術を施行した. ASD症例で稀ながらMRが進行する場合があり注意が必要である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.584