CHARGE syndromeの7例の診断と聴覚の検討

2000年から2009年までの間に、神奈川県立こども医療センター耳鼻咽喉科を受診したGHARGE syndrome 7例について検討を行った。目の欠損症は7例全例に、心奇形は6例に、後鼻孔閉鎖は2例に認められた。精神運動発達遅滞または中枢神経奇形は7例全例に、生殖器低形成または尿路奇形は6例に、難聴は7例全例に認められた。難聴が指摘されたことにより、さらなる精査で確定診断に至った例が多く、また6例で新生児聴覚スクリーニングが施行され難聴が疑われていたことから、難聴の有無が疾患の確定に重要な症状の1つであるため、耳鼻咽喉科領域に奇形を認めない児にも新生児聴覚スクリーニングを行う必要性が再認識され...

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Published inOtology Japan Vol. 23; no. 1; pp. 25 - 30
Main Authors 高橋, 優宏, 佐久間, 直子, 荒井, 康裕, 小河原, 昇, 折舘, 伸彦, 松田, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳科学会 2013
日本耳科学会
Japan Otological Society
Subjects
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ISSN0917-2025
1884-1457
DOI10.11289/otoljpn.23.25

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Summary:2000年から2009年までの間に、神奈川県立こども医療センター耳鼻咽喉科を受診したGHARGE syndrome 7例について検討を行った。目の欠損症は7例全例に、心奇形は6例に、後鼻孔閉鎖は2例に認められた。精神運動発達遅滞または中枢神経奇形は7例全例に、生殖器低形成または尿路奇形は6例に、難聴は7例全例に認められた。難聴が指摘されたことにより、さらなる精査で確定診断に至った例が多く、また6例で新生児聴覚スクリーニングが施行され難聴が疑われていたことから、難聴の有無が疾患の確定に重要な症状の1つであるため、耳鼻咽喉科領域に奇形を認めない児にも新生児聴覚スクリーニングを行う必要性が再認識された。聴覚障害は全例中等度難聴以上であり、補聴器は全例で使用されていた。早期から補聴器の装用や言語訓練などの介入があった6例のうち、補聴器が長時間使用できており且つ補聴器使用下での聴力レベルが軽度から中等度難聴程度であった4例では単語や文章の発語が可能となっていた。このことからも補聴により、CHARGE症候群の児であっても、聴覚がコミュニケーションの手段の1つとなりえると考えられた。
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.23.25