Clostridium difficile迅速診断キットの運用評価―分離菌株を用いたToxin検出感度の向上

Clostridium difficile(CD)は抗菌薬関連下痢症の原因菌であり,院内感染対策上重要な菌である。当院では,Clostridium difficile infection(CDI)の診断補助として糞便中のToxin A/BとCD抗原であるグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)を同時に検出可能な迅速診断キットを使用している。しかし,糞便を直接使用する方法はToxin検出の感度が低いため,今回我々はこのキットの運用方法について検討を行ったので報告する。新運用方法ではGDH(+)Toxin(−)の場合,結果を判定保留とし,培養検査を追加して発育した菌株からの結果を最終報告とした。この...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 64; no. 2; pp. 216 - 220
Main Authors 森下, 良美, 宇賀神, 和久, 津田, 祥子, 望月, 照次, 詫間, 隆博, 福地, 邦彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.03.2015
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
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Summary:Clostridium difficile(CD)は抗菌薬関連下痢症の原因菌であり,院内感染対策上重要な菌である。当院では,Clostridium difficile infection(CDI)の診断補助として糞便中のToxin A/BとCD抗原であるグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)を同時に検出可能な迅速診断キットを使用している。しかし,糞便を直接使用する方法はToxin検出の感度が低いため,今回我々はこのキットの運用方法について検討を行ったので報告する。新運用方法ではGDH(+)Toxin(−)の場合,結果を判定保留とし,培養検査を追加して発育した菌株からの結果を最終報告とした。この新運用方法により,Toxin A/B検出率は2013年10月から2014年3月までの6ヶ月間で7%(34/458件)から13%(58/458件)へと約2倍の増加が認められ,CDI診断に極めて有用であることが示唆された。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.14-67