藤田論文に対するEditorial Comment
本邦での生涯がん罹患率は5割と言われている. 分子標的薬などの新しい治療薬によって患者の予後が有意に改善してきたが, 一方, がん・悪性腫瘍自体あるいはその治療に関連した心臓・血管系合併症の発症頻度も高く, 循環器領域ではOnco-Cardiologyとして積極的な取組みが進みつつある. アドリアマイシン, トラスツズマブ(ハーセプチン)による心筋傷害, 抗VEGF抗体医薬ベバシズマブにおける高血圧・血管障害は良く知られるところであるが, 薬剤により不整脈を誘発するものも多く, 白血病に使用される亜ヒ酸(トリセノックス), Quizartinib(FLT3阻害薬)らはQT延長をきたす代表的な薬...
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Published in | Shinzo Vol. 54; no. 8; p. 943 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.08.2022
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.54.943 |
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Summary: | 本邦での生涯がん罹患率は5割と言われている. 分子標的薬などの新しい治療薬によって患者の予後が有意に改善してきたが, 一方, がん・悪性腫瘍自体あるいはその治療に関連した心臓・血管系合併症の発症頻度も高く, 循環器領域ではOnco-Cardiologyとして積極的な取組みが進みつつある. アドリアマイシン, トラスツズマブ(ハーセプチン)による心筋傷害, 抗VEGF抗体医薬ベバシズマブにおける高血圧・血管障害は良く知られるところであるが, 薬剤により不整脈を誘発するものも多く, 白血病に使用される亜ヒ酸(トリセノックス), Quizartinib(FLT3阻害薬)らはQT延長をきたす代表的な薬剤である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.54.943 |