新生児における出生直後の検尿成績

当院に入院した新生児のうち,出生後1日以内に検尿が実施された552例の結果を集計し,解析を試みた。尿定性試験の陽性率は尿潜血反応が61.8%と最も高く,次いで尿蛋白が33.3%,尿糖が8.9%であった.全例の70.3%はいずれかの項目が陽性であった。また,尿潜血反応陽性例の90.9%は尿沈渣赤血球が陰性であった。全3項目とも陽性率が有意に高かったのは,「仮死のあった群」と「出生体重が1,000 g未満の群」であった。新生児の検尿結果には,出生に伴う何らかの腎組織へのダメージや,腎機能の未熟性が反映されていることが推測された。...

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Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 65; no. 2; pp. 146 - 150
Main Authors 長井, 綾子, 関口, 萌美, 田中, 伸久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.03.2016
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.15-21

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Summary:当院に入院した新生児のうち,出生後1日以内に検尿が実施された552例の結果を集計し,解析を試みた。尿定性試験の陽性率は尿潜血反応が61.8%と最も高く,次いで尿蛋白が33.3%,尿糖が8.9%であった.全例の70.3%はいずれかの項目が陽性であった。また,尿潜血反応陽性例の90.9%は尿沈渣赤血球が陰性であった。全3項目とも陽性率が有意に高かったのは,「仮死のあった群」と「出生体重が1,000 g未満の群」であった。新生児の検尿結果には,出生に伴う何らかの腎組織へのダメージや,腎機能の未熟性が反映されていることが推測された。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.15-21