透析の有無は開心術後の心臓リハビリテーションパス逸脱要因となる
目的 : 開心術後の心臓リハビリテーションのパス逸脱に関連する術前, 術中要因を明らかにし, 血液透析がパス逸脱要因かどうかを明らかにする. 方法 : 対象は開心術の前後に歩行が自立していた155例である. 年齢, 性別, BMI, 透析の有無, 基礎疾患の有無, 併存疾患の有無, 術前の心機能, 緊急手術の有無, 手術情報から, まずは単変量解析にてパス逸脱との関連を調べ, 有意な関連が認められた調査項目を独立変数, パス逸脱の有無を従属変数とし, 多重ロジスティック解析にてパス逸脱に関連する要因を検討した. 結果 : 維持透析患者 (OR 1.36~6.831, p=0.007), 女...
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. 5; pp. 574 - 579 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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Summary: | 目的 : 開心術後の心臓リハビリテーションのパス逸脱に関連する術前, 術中要因を明らかにし, 血液透析がパス逸脱要因かどうかを明らかにする. 方法 : 対象は開心術の前後に歩行が自立していた155例である. 年齢, 性別, BMI, 透析の有無, 基礎疾患の有無, 併存疾患の有無, 術前の心機能, 緊急手術の有無, 手術情報から, まずは単変量解析にてパス逸脱との関連を調べ, 有意な関連が認められた調査項目を独立変数, パス逸脱の有無を従属変数とし, 多重ロジスティック解析にてパス逸脱に関連する要因を検討した. 結果 : 維持透析患者 (OR 1.36~6.831, p=0.007), 女性 (OR 2.348~14.47, p<0.001), 年齢 (OR 1.01~1.091, p=0.014), 脳卒中の既往 (OR 1.239~35.01, p=6.586), 手術時間 (OR 1.001~1.011, p=0.028) が有意なパス逸脱要因として抽出された. 結語 : 透析の有無に加えて, 高齢女性, 脳卒中の既往者, 手術時間の長い症例は, 心リハのパス逸脱に関連する要因となることが明らかとなった. これら関連要因をスクリーニングしておくことは, パス逸脱や進行の予測に有用であることが示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.574 |