保存的加療を行った上腕骨近位端骨折の治療成績

【はじめに】近年,上腕骨近位端骨折に対して保存療法を推奨する報告が散見される1)2)5).上腕骨近位端骨折に対する保存療法の成績を報告する.【対象および方法】保存治療を行った21例21肩を対象とし,内訳は骨折型2-part 9肩,3・4-part 12肩,年齢は49~87歳(平均69歳)(65歳未満:5肩,65~74歳:6肩,75歳以上:10肩),経過観察期間は6~81カ月(平均25カ月)であった.調査項目はX線学的評価,肩関節可動域:屈曲・外旋・内旋であり,骨折型(2-part,3・4-part)と年齢別での患健比(%)を検討した.【結果】最終可動域は屈曲132°,外旋57°,内旋5点であり...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 336 - 339
Main Authors 当真, 孝, 山口, 浩, 呉屋, 五十八, 森山, 朝裕, 大槻, 健太, 親富祖, 徹, 當銘, 保則, 金谷, 文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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Summary:【はじめに】近年,上腕骨近位端骨折に対して保存療法を推奨する報告が散見される1)2)5).上腕骨近位端骨折に対する保存療法の成績を報告する.【対象および方法】保存治療を行った21例21肩を対象とし,内訳は骨折型2-part 9肩,3・4-part 12肩,年齢は49~87歳(平均69歳)(65歳未満:5肩,65~74歳:6肩,75歳以上:10肩),経過観察期間は6~81カ月(平均25カ月)であった.調査項目はX線学的評価,肩関節可動域:屈曲・外旋・内旋であり,骨折型(2-part,3・4-part)と年齢別での患健比(%)を検討した.【結果】最終可動域は屈曲132°,外旋57°,内旋5点であり,患健比(%)は骨折型別では2-part(屈曲87%,外旋88%,内旋93%),3・4-partで(90%,75%,81%).年齢別では65歳未満(88%,96%,93%),65~74歳(90%,71%,75%),75歳以上(90%,75%,91%)であった.【まとめ】3・4-part骨折と65歳以上で外旋制限を認める傾向があったが,保存療法の成績は比較的良好であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.336