血清アルブミンに関する二年間の東京都臨床検査技師会精度管理調査結果の解析

東京都臨床検査技師会(都臨技)データ標準化委員会では,ヒト実試料を用いた精度管理調査を実施し,各項目において,測定機器・試薬で一律な評価を目指している.しかしながら,アルブミン測定においては,ブロムクレゾールグリーン(BCG)法,ブロムクレゾールパープル(BCP)改良法による測定施設間での測定値の乖離より,過去二年間の精度管理調査において,ともに評価対象外となった.そこで本稿では,平成22年度および平成23年度に実施した都臨技精度管理調査のアルブミンの結果について詳細に解析した.結果,BCG法,BCP改良法では平均値に大きな乖離があり,その乖離の大きさは平成23年度の方が小さかった.試料および...

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Published in医学検査 Vol. 63; no. 2; pp. 241 - 247
Main Authors 大川, 龍之介, 村本, 良三, 徳原, 康哲, 荒木, 秀夫, 大久保, 滋夫, 横田, 浩充, 矢冨, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.03.2014
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:東京都臨床検査技師会(都臨技)データ標準化委員会では,ヒト実試料を用いた精度管理調査を実施し,各項目において,測定機器・試薬で一律な評価を目指している.しかしながら,アルブミン測定においては,ブロムクレゾールグリーン(BCG)法,ブロムクレゾールパープル(BCP)改良法による測定施設間での測定値の乖離より,過去二年間の精度管理調査において,ともに評価対象外となった.そこで本稿では,平成22年度および平成23年度に実施した都臨技精度管理調査のアルブミンの結果について詳細に解析した.結果,BCG法,BCP改良法では平均値に大きな乖離があり,その乖離の大きさは平成23年度の方が小さかった.試料および標準品の蛋白分画の解析をおこなったところ,平成23年度の試料の方が,α分画(α1,α2-グロブリン分画の和)の割合が小さく,各試薬メーカーの標準品の割合に類似していた.実検体の方法間差とかけ離れていることが推察された.また,BCP改良法においてもメーカー間差が認められた.今後,BCP改良法におけるメーカー間差の原因を追求するとともに,さらなるアルブミン測定の標準化を期待したい.
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.13-43