草刈り作業による機械的刺激によってデバイス感染を合併したBrugada症候群の1例

症例は75歳, 男性. 失神発作を伴うBrugada症候群に対して2012年9月に植込み型除細動器 (implantable cardioverter defibrillator ; ICD) 移植術を施行した. ICD植込み8カ月後に草刈り機を使用し, 約5時間の草刈り作業を行った. 植込み部位に軽い違和感があったが放置し, 数日後挫創ができていることに気付き近医を受診した. 創部は徐々に拡大し, 数日で創部が開放したためデバイス感染が強く疑われ精査加療目的で当院に入院した. 左前胸部の創部に膿瘍を形成しており, 鑷子で創部を観察すると容易にICD本体が外部と開通していたためデバイス感染と診...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 2; pp. 166 - 171
Main Authors 大木元, 明義, 上谷, 晃由, 檜垣, 實男, 鈴木, 純, 永井, 啓行, 西村, 和久, 櫃本, 竜郎, 井上, 勝次, 大蔵, 隆文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.166

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Summary:症例は75歳, 男性. 失神発作を伴うBrugada症候群に対して2012年9月に植込み型除細動器 (implantable cardioverter defibrillator ; ICD) 移植術を施行した. ICD植込み8カ月後に草刈り機を使用し, 約5時間の草刈り作業を行った. 植込み部位に軽い違和感があったが放置し, 数日後挫創ができていることに気付き近医を受診した. 創部は徐々に拡大し, 数日で創部が開放したためデバイス感染が強く疑われ精査加療目的で当院に入院した. 左前胸部の創部に膿瘍を形成しており, 鑷子で創部を観察すると容易にICD本体が外部と開通していたためデバイス感染と診断した. 入院第2病日にICDを全抜去し, 抗生剤による厳重な感染コントロールを行った後, 反対側からICD再植込み術を施行した. デバイス感染予防には草刈り作業などの物理的刺激の回避も重要と考えられ, デバイス感染の診断・治療・管理についても文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.166