Paclitaxel溶出ステント留置6年後にbevacizumabを含む癌化学療法を施行され, 超遅発性ステント血栓症をきたした1例
症例は70歳代女性. 2008年急性下壁心筋梗塞を発症し, 急性期に右冠動脈責任部位へベアメタルステントを留置された. このとき回旋枝に90%狭窄を指摘され, 慢性期にpaclitaxel溶出ステント (Taxus® Express2TM) 2個が留置された. いずれも再狭窄なく経過し, aspirinとclopidogrelが継続された. 2013年大腸癌に罹患し結腸切除術を受けた. 非治癒切除であり, 手術後はaspirinのみ継続された. 2014年腸閉塞と多発肺転移が判明し, bevacizumabを含む癌化学療法が施行された. 20日後に急性心筋梗塞を発症し, 冠動脈造影では回旋枝T...
Saved in:
Published in | Shinzo Vol. 48; no. 5; pp. 555 - 560 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.555 |
Cover
Loading…
Summary: | 症例は70歳代女性. 2008年急性下壁心筋梗塞を発症し, 急性期に右冠動脈責任部位へベアメタルステントを留置された. このとき回旋枝に90%狭窄を指摘され, 慢性期にpaclitaxel溶出ステント (Taxus® Express2TM) 2個が留置された. いずれも再狭窄なく経過し, aspirinとclopidogrelが継続された. 2013年大腸癌に罹患し結腸切除術を受けた. 非治癒切除であり, 手術後はaspirinのみ継続された. 2014年腸閉塞と多発肺転移が判明し, bevacizumabを含む癌化学療法が施行された. 20日後に急性心筋梗塞を発症し, 冠動脈造影では回旋枝Taxusステント留置部位に血栓性の閉塞が認められた. 血栓発症にbevacizumabが関与した可能性があり, 示唆に富むと考え報告する. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.555 |