腎センターとの連携によるOn-line HDF療法の実施に向けた透析液清浄化対策

透析液の細菌学的汚染は様々な合併症を引き起こすため透析液清浄化が推進されてきた。特に,透析液を直接血液内へ補充するOn-line血液濾過透析(hemodiafiltration; HDF)は,より厳重な清浄化管理が必要となる。当院では臨床工学技士と共に臨床検査技師も,透析液中のエンドトキシン(ET)測定開始を契機に透析液清浄化に携わってきた。取り組みとして,ETと生菌数測定の導入検討を行った。ET測定の採取管は,採取から早期に測定すれば一般血液検査用管の使用が可能であった。生菌数測定は計測しやすく検出率の高い37 mmクオリティモニターを採用した。また,透析機器安全管理委員会に所属し清浄化管理...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 66; no. 5; pp. 582 - 589
Main Authors 上杉, 里枝, 佐々木, 慎理, 河口, 勝憲, 小野, 淳一, 水津, 英仁, 通山, 薫, 見手倉, 久治, 吉川, 史華
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.09.2017
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.16-42

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Summary:透析液の細菌学的汚染は様々な合併症を引き起こすため透析液清浄化が推進されてきた。特に,透析液を直接血液内へ補充するOn-line血液濾過透析(hemodiafiltration; HDF)は,より厳重な清浄化管理が必要となる。当院では臨床工学技士と共に臨床検査技師も,透析液中のエンドトキシン(ET)測定開始を契機に透析液清浄化に携わってきた。取り組みとして,ETと生菌数測定の導入検討を行った。ET測定の採取管は,採取から早期に測定すれば一般血液検査用管の使用が可能であった。生菌数測定は計測しやすく検出率の高い37 mmクオリティモニターを採用した。また,透析機器安全管理委員会に所属し清浄化管理体制の強化・迅速化に努めている。過去5年間の清浄化達成率を検証すると,逆浸透装置,多人数用透析液供給装置は概ね100%であった。ET捕捉フィルター前では突発的な装置のトラブルにより生菌が高値となる事例を経験した。カプラ出口部は年々達成率が上昇し,2014年には100%となった。On-line HDF装置は全ての部位で100%の達成率となった。超純粋透析液の安定した供給が確認でき,2015年にOn-line HDFの導入となった。透析液清浄化への協働はチーム医療の面からも意義深く,今後も腎センターとの連携を図りながら透析液清浄化に貢献したいと考え‍る。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.16-42