血液培養からnutritionally variant streptococciを分離した2症例
今回われわれは血液培養からnutritionally variant streptococci(NVS)が分離された症例を続けて2例経験した。症例1は61歳女性で,腰痛が続くため受診し,化膿性脊椎炎の診断で加療となった。入院時に採取された血液培養からグラム陽性レンサ球菌が検出され,Abiotrophia defectivaと同定された。症例2は84歳男性で,発熱とSpO2の低下を認め,尿路感染症および敗血症にて緊急入院となった。入院時に採取された尿および血液培養からグラム陽性のブドウ状配列をなす球菌が検出され,Granulicatella adiacensと同定された。症例1でNVSの分離を初...
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Published in | 医学検査 Vol. 64; no. 4; pp. 421 - 427 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.07.2015
日本臨床衛生検査技師会 |
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Summary: | 今回われわれは血液培養からnutritionally variant streptococci(NVS)が分離された症例を続けて2例経験した。症例1は61歳女性で,腰痛が続くため受診し,化膿性脊椎炎の診断で加療となった。入院時に採取された血液培養からグラム陽性レンサ球菌が検出され,Abiotrophia defectivaと同定された。症例2は84歳男性で,発熱とSpO2の低下を認め,尿路感染症および敗血症にて緊急入院となった。入院時に採取された尿および血液培養からグラム陽性のブドウ状配列をなす球菌が検出され,Granulicatella adiacensと同定された。症例1でNVSの分離を初めて経験し,本菌の特性や同定のポイントを知ったことで,症例2では初期段階からNVSを考慮した対応をとることができた。NVSは栄養要求性が特殊なため,分離には適切な培地や培養条件を選択することが重要である。特に血液培養では確実かつ迅速に起炎菌を検出することが求められるため,サブカルチャーにはチョコレート寒天培地やブルセラHK寒天培地を併用し,より早い段階でNVSを識別することが必要であると考えられた。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.14-30 |