ホルミウムレーザー前立腺核出術後の蓄尿症状に対する術前予測因子の検討~術前MRIにおける膀胱壁の厚さは予測因子となるか

【目的】ホルミウムレーザー前立腺核出術後に蓄尿症状が残存するリスク因子について検討を行った. 【対象と方法】277例を対象とした. 蓄尿症状の残存の定義は術後3カ月もしくは6カ月における蓄尿症状スコアの合計が8点以上, あるいは術後に蓄尿症状に対して過活動膀胱治療薬の内服を開始した症例とした. 年齢, 尿流測定などの評価項目に加えて, 術前MRIにおける膀胱壁の厚さも測定し蓄尿症状との関連をロジスティック回帰分析で検討した. 【結果】年齢 (P=0.030) と前立腺体積 (P=0.028) は術後蓄尿症状が残存する有意なリスク因子であった. 膀胱壁の厚さは有意な関連性を認めなかった. 【結語...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 33; no. 2; pp. 347 - 352
Main Authors 植木, 秀登, 三浦, 徹也, 高橋, 昂佑, 安福, 富彦, 結縁, 敬冶, 山下, 真寿男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 2020
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Summary:【目的】ホルミウムレーザー前立腺核出術後に蓄尿症状が残存するリスク因子について検討を行った. 【対象と方法】277例を対象とした. 蓄尿症状の残存の定義は術後3カ月もしくは6カ月における蓄尿症状スコアの合計が8点以上, あるいは術後に蓄尿症状に対して過活動膀胱治療薬の内服を開始した症例とした. 年齢, 尿流測定などの評価項目に加えて, 術前MRIにおける膀胱壁の厚さも測定し蓄尿症状との関連をロジスティック回帰分析で検討した. 【結果】年齢 (P=0.030) と前立腺体積 (P=0.028) は術後蓄尿症状が残存する有意なリスク因子であった. 膀胱壁の厚さは有意な関連性を認めなかった. 【結語】高齢者で中等度以下の前立腺肥大症では術後蓄尿症状が残存するリスクが高くなると考え適切な治療法について慎重に検討すべきである.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.33.347