心腔内超音波のみで左房肺静脈3次元構築を行い心房細動に対するカテーテルアブレーションを施行した末期腎不全の1例
症例は60歳代男性. 慢性腎不全に対して維持透析中の2年前より薬剤抵抗性の心房細動発作を認め, 持続性心房細動に移行し, 労作時呼吸困難の悪化を認めるようになった. 有症候性の持続性心房細動であり, カテーテルアブレーション治療目的に入院した. 残存する腎機能を温存する目的で治療前の造影CTは施行せず, 治療時にも造影剤を用いず心腔内超音波 (CARTSOUNDTM) のみを用いて左房肺静脈の3次元画像を取得しアブレーションを施行した. 左房肺静脈の3次元画像は右房から取得した超音波画像に加え, 経中隔的に左房内に挿入し取得した画像も利用して作成した. この3次元画像をもとに両側肺静脈隔離およ...
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Published in | Shinzo Vol. 47; no. 3; pp. 375 - 381 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2015
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.47.375 |
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Summary: | 症例は60歳代男性. 慢性腎不全に対して維持透析中の2年前より薬剤抵抗性の心房細動発作を認め, 持続性心房細動に移行し, 労作時呼吸困難の悪化を認めるようになった. 有症候性の持続性心房細動であり, カテーテルアブレーション治療目的に入院した. 残存する腎機能を温存する目的で治療前の造影CTは施行せず, 治療時にも造影剤を用いず心腔内超音波 (CARTSOUNDTM) のみを用いて左房肺静脈の3次元画像を取得しアブレーションを施行した. 左房肺静脈の3次元画像は右房から取得した超音波画像に加え, 経中隔的に左房内に挿入し取得した画像も利用して作成した. この3次元画像をもとに両側肺静脈隔離および左房天蓋部焼灼を行った. 左房内の超音波カテーテルの操作には注意が必要であるが, 造影剤の使用が困難な症例に対するカテーテルアブレーションの戦略として有用と考え報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.375 |