小林論文に対するEditorial Comment

SCAD (spontaneous coronary artery dissection)はその原因別に, 動脈硬化性, 産褥期性および特発性の3つに分類され, 心筋梗塞や突然死などを発症する1). 動脈硬化SCADは中年男性に多く, 造影上プラークでの解離entryが認められ右冠動脈に生じやすく, 産褥期や40歳以下で好発する特発性SCADは圧倒的に女性に多い. 特に, 産褥期SCADは出産後2週間で発症し, 冠危険因子はなく, 造影上動脈硬化性病変は認めず, 左冠動脈主幹部(left main coronary trunk; LMT)に生じることが多く, また多枝解離例もある. したがって...

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Bibliographic Details
Published inShinzo Vol. 45; no. 6; pp. 678 - 679
Main Author 鈴木, 宏昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.06.2013
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.678

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Summary:SCAD (spontaneous coronary artery dissection)はその原因別に, 動脈硬化性, 産褥期性および特発性の3つに分類され, 心筋梗塞や突然死などを発症する1). 動脈硬化SCADは中年男性に多く, 造影上プラークでの解離entryが認められ右冠動脈に生じやすく, 産褥期や40歳以下で好発する特発性SCADは圧倒的に女性に多い. 特に, 産褥期SCADは出産後2週間で発症し, 冠危険因子はなく, 造影上動脈硬化性病変は認めず, 左冠動脈主幹部(left main coronary trunk; LMT)に生じることが多く, また多枝解離例もある. したがって, 動脈硬化性SCADと, 産褥期, 若年性SCADは全く別疾患ととらえるべきである. 産褥期SCADは非動脈硬化性で, 原因は不明である. 病理学的には, 中膜の外膜近くで解離して出血や血腫を生じる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.678