アトピー性皮膚炎に合併した化膿性関節炎・脊椎炎の6例

【緒言】アトピー性皮膚炎に合併した化膿性関節炎・脊椎炎の6例を報告する.【対象と方法】症例は6例(男6例),年齢は小児2,10,12,18歳,成人48,53歳であった.1例は多発感染であった.感染部位は頚椎2,腰椎1,肩関節1,股関節1,膝関節2,足関節1,母趾MP関節1であった(重複あり).アトピー性皮膚炎に対して4例は皮膚科に相談し,抗ヒスタミン薬の内服や保湿剤と抗炎症剤の投与が行われた.以上6例の治療成績について調査した.【結果】5例6関節に同日緊急手術を行った.3例4関節は追加手術を要した.抗菌薬投与を行い全例感染は沈静化した.【考察】アトピー性皮膚炎患者は皮膚バリア機構が破綻しており...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 281 - 283
Main Authors 古川, 寛, 井上, 三四郎, 菊池, 直士, 岩崎, 元気, 田中, 宏毅, 内田, 泰輔, 大角, 崇史, 有田, 卓史, 井上, 隆広, 阿久根, 広宣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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Summary:【緒言】アトピー性皮膚炎に合併した化膿性関節炎・脊椎炎の6例を報告する.【対象と方法】症例は6例(男6例),年齢は小児2,10,12,18歳,成人48,53歳であった.1例は多発感染であった.感染部位は頚椎2,腰椎1,肩関節1,股関節1,膝関節2,足関節1,母趾MP関節1であった(重複あり).アトピー性皮膚炎に対して4例は皮膚科に相談し,抗ヒスタミン薬の内服や保湿剤と抗炎症剤の投与が行われた.以上6例の治療成績について調査した.【結果】5例6関節に同日緊急手術を行った.3例4関節は追加手術を要した.抗菌薬投与を行い全例感染は沈静化した.【考察】アトピー性皮膚炎患者は皮膚バリア機構が破綻しており,皮膚軟部組織感染を始め,様々な感染を合併しやすい.その中には単なる蜂窩織炎でなく,重篤な化膿性関節炎や脊椎炎を生じる場合があり,その啓蒙が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.281