インシデント発生に係わる行動特性についての分析―人事考課と行動特性を組み合わせた二次元複合解析法から

平成16~24年の9年間で総数348件のインシデント報告があり,「確認不足」「思い込み」が多く,同様・同質のインシデントを反復させる職員がいることが分かった。そこで,人事考課と日常業務に係わる行動特性から二次元複合解析図を作成し,その座標位置から5つのグループに分類し,インシデントに係わる行動特性を解析した。各々のグループに特徴はあるが,特に問題となったのが業務能力の高いグループであった。このことから,インシデント発生の背景には,臨床検査技師に特有な行動特性と過大な業務量や技術指導が日常的に求められていることが要因と推察できた。インシデント発生回数の多い職員や,同様・同質のインシデントを反復さ...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 64; no. 3; pp. 361 - 367
Main Authors 加賀山, 朋枝, 渡邊, 聡, 宇賀神, 和久, 家泉, 桂一, 津田, 祥子, 望月, 照次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.05.2015
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
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Summary:平成16~24年の9年間で総数348件のインシデント報告があり,「確認不足」「思い込み」が多く,同様・同質のインシデントを反復させる職員がいることが分かった。そこで,人事考課と日常業務に係わる行動特性から二次元複合解析図を作成し,その座標位置から5つのグループに分類し,インシデントに係わる行動特性を解析した。各々のグループに特徴はあるが,特に問題となったのが業務能力の高いグループであった。このことから,インシデント発生の背景には,臨床検査技師に特有な行動特性と過大な業務量や技術指導が日常的に求められていることが要因と推察できた。インシデント発生回数の多い職員や,同様・同質のインシデントを反復させる職員は,個々の特徴や特性に適合した指導,再教育を行うことでインシデントの発生は減少させられると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.14-60