BioPlex2200を用いた新規抗EBV抗体スクリーニング検査の性能評価

Epstein-Barr virus(EBV)は伝染性単核症(infectious mononucleosis;以下IM)の病原ウイルスであるが,抗EBV抗体検査が診断に必要不可欠である。その特異抗体には,VCA(virus capsid antigen)抗体,EA(early antigen)抗体,EBNA(EBV nuclear antigen)抗体の3種類があり,初感染ではVCAに対するIgMが,その後IgG抗体が増加し,それらの組合せで病態や病期を判断する。BioPlex2200システム(バイオ・ラッド社)は,マルチプレックス法を原理とした免疫蛍光分析装置であり,抗EBV抗体試薬ではI...

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Published in医学検査 Vol. 67; no. 1; pp. 13 - 22
Main Authors 大金, 亜弥, 永友, 利津子, 久米, 幸夫, 常名, 政弘, 曽根, 伸治, 蔵野, 信, 矢冨, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2018
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:Epstein-Barr virus(EBV)は伝染性単核症(infectious mononucleosis;以下IM)の病原ウイルスであるが,抗EBV抗体検査が診断に必要不可欠である。その特異抗体には,VCA(virus capsid antigen)抗体,EA(early antigen)抗体,EBNA(EBV nuclear antigen)抗体の3種類があり,初感染ではVCAに対するIgMが,その後IgG抗体が増加し,それらの組合せで病態や病期を判断する。BioPlex2200システム(バイオ・ラッド社)は,マルチプレックス法を原理とした免疫蛍光分析装置であり,抗EBV抗体試薬ではIgGが3種,IgMが2種の抗体の同時測定が可能である。測定結果は,独自の抗体価指標,Antibody-index(A.I.)によって示され,陽性・陰性を判定する。今回,BioPlex2200を用いた抗EBV抗体試薬の基礎的性能評価,および他法との比較を行った。同時再現性は概ね良好であったが,日差再現性は一部の項目にばらつきを認めた。また,干渉物質の影響を受けやすいため,試薬の改善が望まれる。EIA法との一致率は概ね良好であった。本法は,より少量の検体量で迅速に測定結果を報告することができるため,EBV関連疾患の診断に有用であると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-70