賀来論文に対するEditorial Comment

心病変を合併した全身性サルコイドーシス症が予後不良であることは, よく知られている. サルコイドーシスは, ステロイド投与により治療可能であることから, 心病変の早期発見, 早期治療は臨床的に極めて重要である. 全身性サルコイドーシス症例の25%に心病変を合併するという報告もあり1), 常に心病変合併の有無を検索しておく必要がある. 2006年の日本サルコイドーシス学会は, 主兆候4つのうち2つ, ないしは主兆候1つと副兆候5つのうち2つを満たすことを心サルコイドーシスの診断基準として提示している2). 主兆候は, ガリウムシンチを除けば, 心電図と心エコーにより得られる指標であることから,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShinzo Vol. 43; no. 6; p. 788
Main Author 七里, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
日本心臓財団
Japan Heart Foundation
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.43.788

Cover

Loading…
More Information
Summary:心病変を合併した全身性サルコイドーシス症が予後不良であることは, よく知られている. サルコイドーシスは, ステロイド投与により治療可能であることから, 心病変の早期発見, 早期治療は臨床的に極めて重要である. 全身性サルコイドーシス症例の25%に心病変を合併するという報告もあり1), 常に心病変合併の有無を検索しておく必要がある. 2006年の日本サルコイドーシス学会は, 主兆候4つのうち2つ, ないしは主兆候1つと副兆候5つのうち2つを満たすことを心サルコイドーシスの診断基準として提示している2). 主兆候は, ガリウムシンチを除けば, 心電図と心エコーにより得られる指標であることから, 全身性サルコイドーシス症の患者では, 心病変を示唆する兆候がなくとも, 循環器診療の基本的検査である心電図と心エコーを定期的に経過観察することが重要である. 賀来論文でも, 心電図の右脚ブロック出現が診断の端緒となっている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.788