肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝部分切除におけるマイクロターゼ®の有用性

最近2年7ヵ月間(2001年4月~2003年11月)に教室で治療した肝細胞癌(HCC)72例の治療方法をみると, 開腹肝切除が38%と最も多く, 次いで生体肝移植が21%であり, 根治的外科治療が主流を占めている. 一方, ラジオ波焼灼術(RFA)も14%に施行され, 外科教室といえども治療方法は多種多様になってきている. そこで教室では, 肝表面に存在する小型の単発肝細胞癌に対して鏡視下操作が可能と思われる症例で, 低侵襲を目的に腹腔鏡下肝切除を行ってきた. 今回この治療成績と, 同時期に行った切除範囲をマッチングさせた開腹下の肝切除(部分切除)症例と比較検討して, 肝細胞癌治療における腹腔...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 22; pp. 111 - 114
Main Authors 山際, 健太郎, 飯田, 拓, 八木, 眞太郎, 谷口, 健太郎, 堀, 智英, 中村, 育夫, 岡南, 裕子, 水野, 修吾, 臼井, 正信, 櫻井, 洋至, 田端, 正己, 横井, 一, 伊佐地, 秀司, 上本, 伸二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2004
メディカルレビュー社
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Summary:最近2年7ヵ月間(2001年4月~2003年11月)に教室で治療した肝細胞癌(HCC)72例の治療方法をみると, 開腹肝切除が38%と最も多く, 次いで生体肝移植が21%であり, 根治的外科治療が主流を占めている. 一方, ラジオ波焼灼術(RFA)も14%に施行され, 外科教室といえども治療方法は多種多様になってきている. そこで教室では, 肝表面に存在する小型の単発肝細胞癌に対して鏡視下操作が可能と思われる症例で, 低侵襲を目的に腹腔鏡下肝切除を行ってきた. 今回この治療成績と, 同時期に行った切除範囲をマッチングさせた開腹下の肝切除(部分切除)症例と比較検討して, 肝細胞癌治療における腹腔鏡下肝部分切除の臨床的意義を明らかにし, マイクロターゼ(R)の有用性について検討を加えた. 対象症例と方法 対象は2001年4月~2003年11月までの2年3ヵ月に行った腹腔鏡下肝部分切除(LHR)群7例とLHRの途中開腹に変更した4例, 及び開腹下肝部分切除(OHR)群の8例である. その背景(表1)をみると, 有意差が認められたのは平均年齢と占拠部位であった.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.22.111