岡田論文に対するEditorial Comment

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は, がん免疫療法として多くの悪性腫瘍の治療に用いられている. 高い有効性がある一方で, 副作用として皮膚・消化管・肝臓・内分泌系・腎臓・神経系などに多彩な免疫関連有害事象(irAE)を生じうる. 頻度は低いものの心血管系irAEとして心筋炎, 心膜炎, 頻脈性不整脈, 伝導障害, 冠動脈疾患などが知られている. 特に心筋炎による死亡率は50%と非常に高く, 2016年にICI併用療法中に生じたirAE劇症型心筋炎の2症例が初めて発表されて以降, 同様の症例報告が増加している....

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Bibliographic Details
Published inShinzo Vol. 54; no. 8; p. 954
Main Authors 富田, 泰史, 西崎, 公貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.08.2022
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.54.954

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Summary:免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は, がん免疫療法として多くの悪性腫瘍の治療に用いられている. 高い有効性がある一方で, 副作用として皮膚・消化管・肝臓・内分泌系・腎臓・神経系などに多彩な免疫関連有害事象(irAE)を生じうる. 頻度は低いものの心血管系irAEとして心筋炎, 心膜炎, 頻脈性不整脈, 伝導障害, 冠動脈疾患などが知られている. 特に心筋炎による死亡率は50%と非常に高く, 2016年にICI併用療法中に生じたirAE劇症型心筋炎の2症例が初めて発表されて以降, 同様の症例報告が増加している.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.54.954