仙椎レベルの前縦靭帯にメッシュ近位端を固定する腹腔鏡下仙骨腟固定術

腹腔鏡下仙骨腟固定術では, 通常, L5腰椎とS1仙椎間の椎間板上で, メッシュ近位端を前縦靭帯に固定する. しかし, 大血管の解剖学的破格例などでは, 同部へのメッシュ固定が危険で困難になることがある. 当科では, 2013年の腹腔鏡下仙骨腟固定術開始当初から, S1またはS2仙椎レベルでのメッシュ固定を行ってきた. その理由は, 腟管の牽引方向がより生理的になり, 脱再発防止に役立つflap valve効果が得られやすいと考えたからである. また, 解剖学的破格が存在しても, 仙椎レベルでは安全なメッシュ固定が可能であった. 椎間板上でメッシュ固定を行っている一般的な術者においても, 同部...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 34; no. 1; pp. 173 - 176
Main Authors 上村, 吉穂, 林, 哲章, 江川, 雅之, 一松, 啓介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 2021
Japanese Society of Endourology
Subjects
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.34.173

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Summary:腹腔鏡下仙骨腟固定術では, 通常, L5腰椎とS1仙椎間の椎間板上で, メッシュ近位端を前縦靭帯に固定する. しかし, 大血管の解剖学的破格例などでは, 同部へのメッシュ固定が危険で困難になることがある. 当科では, 2013年の腹腔鏡下仙骨腟固定術開始当初から, S1またはS2仙椎レベルでのメッシュ固定を行ってきた. その理由は, 腟管の牽引方向がより生理的になり, 脱再発防止に役立つflap valve効果が得られやすいと考えたからである. また, 解剖学的破格が存在しても, 仙椎レベルでは安全なメッシュ固定が可能であった. 椎間板上でメッシュ固定を行っている一般的な術者においても, 同部での固定が困難な際のオプションとして, 仙椎レベルでのメッシュ固定について知っておくことは有益と思われる.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.34.173