BDサイトリッチTMレッド保存液を用いた術中迅速細胞診の細胞塗沫量に関する基礎的検討

術中迅速細胞診において,BDサイトリッチTMレッド保存液を用いる方法(サイトリッチ・レッド法)は,細胞変性や細胞剥離の予防に有効であるが,従来法と比較して標本作製に時間が必要である。そこで標本作製時間の短縮を目的に,重力沈降時間と細胞塗沫量の関連性を比較検討した。その結果,採取細胞量の多寡にかかわらず対照の10分に対して細胞塗沫量に有意差の見られない最短の重力沈降時間は 3分で,相対値は70%以上になることが明らかとなった。標本作製時間を短縮するためには,重力沈降時間に対する細胞塗沫量の経時変化を理解することが重要である。...

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Published in医学検査 Vol. 66; no. 6; pp. 636 - 641
Main Authors 兵頭, 直樹, 日野, 典文, 篠﨑, 陽香, 篠原, 直征, 藤原, 直, 高橋, 智恵, 菅, 成器, 延原, 研二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.11.2017
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:術中迅速細胞診において,BDサイトリッチTMレッド保存液を用いる方法(サイトリッチ・レッド法)は,細胞変性や細胞剥離の予防に有効であるが,従来法と比較して標本作製に時間が必要である。そこで標本作製時間の短縮を目的に,重力沈降時間と細胞塗沫量の関連性を比較検討した。その結果,採取細胞量の多寡にかかわらず対照の10分に対して細胞塗沫量に有意差の見られない最短の重力沈降時間は 3分で,相対値は70%以上になることが明らかとなった。標本作製時間を短縮するためには,重力沈降時間に対する細胞塗沫量の経時変化を理解することが重要である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-23