不整脈に対するアブレーションの適応と限界

「はじめに」長い歴史の中で, 不整脈そのものに対する治療といえば, 「抗不整脈薬」がその中心とされてきました. しかし, 現在ではカテーテルによる心筋焼灼術, カテーテルアブレーションが, 不整脈治療の中心として位置づけられるようになり, アブレーションに関する知識は必須のものとなっています. 高周波通電によるカテーテルアブレーションは1980年代後半から主にWPW症候群の治療に用いられるようになり, 1990年代になりsteerableカテーテル, large tipカテーテルの開発により飛躍的に進歩しました. わが国では1994年保険償還され, 約20年の歴史を有する治療法といえます. 当...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 5; pp. 634 - 636
Main Author 山下, 武志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.634

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Summary:「はじめに」長い歴史の中で, 不整脈そのものに対する治療といえば, 「抗不整脈薬」がその中心とされてきました. しかし, 現在ではカテーテルによる心筋焼灼術, カテーテルアブレーションが, 不整脈治療の中心として位置づけられるようになり, アブレーションに関する知識は必須のものとなっています. 高周波通電によるカテーテルアブレーションは1980年代後半から主にWPW症候群の治療に用いられるようになり, 1990年代になりsteerableカテーテル, large tipカテーテルの開発により飛躍的に進歩しました. わが国では1994年保険償還され, 約20年の歴史を有する治療法といえます. 当初はWPW症候群, 房室結節リエントリ性頻拍など一部の上室頻拍を主な治療対象としていましたが, イリゲーションカテーテル, CARTO, EnSiteなどの三次元マッピングシステムによる画像化などの医用工学の進歩が導入され, 現在ではすべてのタイプの頻脈性不整脈治療に用いられているようになっています.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.634