運動負荷心筋シンチグラムにより運動誘発性冠攣縮性狭心症の治療効果を確認し得た1例
《Abstract》症例は67歳, 男性. 約20分の労作時胸部絞扼感のため救急外来を受診した. 心電図でV1~4誘導に陰性T波を認め, 不安定狭心症と診断し入院とした. 冠動脈造影では第1対角枝に有意狭窄を認め, 同病変による労作性狭心症と考えβ遮断薬を含む内服加療の方針とした. 内服治療後の虚血評価目的での運動負荷心筋シンチグラムでは, 負荷終了後より胸痛が出現しV1~4誘導にST上昇を認めた. ニトログリセリン舌下にて胸痛, 心電図変化は改善した. SPECTで心尖部を含む左前下行枝領域に虚血を認め運動誘発性冠攣縮性狭心症と考えられた. 内服をカルシウム拮抗薬に変更後は症状の再燃はなく,...
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Published in | Shinzo Vol. 49; no. 7; pp. 695 - 702 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.07.2017
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.49.695 |
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Summary: | 《Abstract》症例は67歳, 男性. 約20分の労作時胸部絞扼感のため救急外来を受診した. 心電図でV1~4誘導に陰性T波を認め, 不安定狭心症と診断し入院とした. 冠動脈造影では第1対角枝に有意狭窄を認め, 同病変による労作性狭心症と考えβ遮断薬を含む内服加療の方針とした. 内服治療後の虚血評価目的での運動負荷心筋シンチグラムでは, 負荷終了後より胸痛が出現しV1~4誘導にST上昇を認めた. ニトログリセリン舌下にて胸痛, 心電図変化は改善した. SPECTで心尖部を含む左前下行枝領域に虚血を認め運動誘発性冠攣縮性狭心症と考えられた. 内服をカルシウム拮抗薬に変更後は症状の再燃はなく, 運動負荷心筋シンチグラム再検でも虚血所見は認めなかった. 運動誘発性冠攣縮性狭心症の治療効果を運動負荷心筋シンチグラムにて確認できた貴重な症例であり報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.49.695 |