血液浄化センターでの検査説明・相談の取り組み

平成27年4月から「血液透析療法患者に医師が十分な時間をかけて検査結果の説明・相談が出来ないことへの患者の不満や不安を改善すること」を目的に,臨床検査技師による血液透析療法患者への検査説明・相談が開始され,その取り組みについて血液浄化センターチームからの評価を得た。「臨床検査技師の検査説明・相談は透析スタッフの業務削減・効率化に役立っているか」「臨床検査技師の検査説明・相談は血液透析療法患者の自己管理に有用か」のアンケートに対し8割以上に「はい」の回答があった。しかし,「臨床検査技師の検査説明・相談の際に不足していると感じるスキルはあるか」については,「コミュニケーション」「伝達報告など情報共...

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Published in医学検査 Vol. 66; no. 4; pp. 392 - 397
Main Authors 森, さゆり, 北野, 紘美, 末松, エリカ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.07.2017
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:平成27年4月から「血液透析療法患者に医師が十分な時間をかけて検査結果の説明・相談が出来ないことへの患者の不満や不安を改善すること」を目的に,臨床検査技師による血液透析療法患者への検査説明・相談が開始され,その取り組みについて血液浄化センターチームからの評価を得た。「臨床検査技師の検査説明・相談は透析スタッフの業務削減・効率化に役立っているか」「臨床検査技師の検査説明・相談は血液透析療法患者の自己管理に有用か」のアンケートに対し8割以上に「はい」の回答があった。しかし,「臨床検査技師の検査説明・相談の際に不足していると感じるスキルはあるか」については,「コミュニケーション」「伝達報告など情報共有」「カルテ記載方法」「血液透析療法の知識」などが指摘された。これらの課題がある中で,8割以上が臨床検査技師の検査説明・相談の継続を希望していた。血液浄化センターでの臨床検査技師の検査説明・相談の取り組みは,血液浄化センタースタッフの業務削減・効率化に有用であり,さらに血液浄化センターチームとして患者自身の振り返りによる自己管理意識の向上に役立っていると評価された。しかし,チーム医療の中で求められる患者心理や病態など,患者に関わる知識やカルテ記載などの情報共有,さらに患者・他職種とのコミュニケーションスキルの習得が求められていることがわかった。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-8