プロトロンビン凍結乾燥試薬調整時の個人差と液状試薬コアグピア® PT-Liquidの基礎的検討

プロトロンビン凍結乾燥試薬コアグピア® PT-N(PT-N)を調整する際の個人差と,液状PT測定試薬であるコアグピア® PT-Liquid(PT-L)の基礎的検討を行った。ホールピペット,マイクロピペットのいずれにおいても,ピペットで試薬調整し測定した場合には技師毎の測定値に有意差が認められた。調整操作が不要なPT-Lの基礎的性能評価では,正確性,同時再現性,オンボード安定性,希釈直線性,検出限界については良好な結果が得られ,干渉物質の影響については,遊離型ビリルビン,抱合型ビリルビン,ヘモグロビン,乳びは,いずれにも最終濃度まで影響を認めず,ヘパリンはPT正常域では0.8 U/mLまで,PT...

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Published in医学検査 Vol. 70; no. 4; pp. 697 - 704
Main Authors 石井, 聡子, 海渡, 健, 小林, 清, 千葉, 彩乃, 湯本, 春野, 池田, 勇一, 神田, 俊, 小笠原, 洋治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2021
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.20-144

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Summary:プロトロンビン凍結乾燥試薬コアグピア® PT-N(PT-N)を調整する際の個人差と,液状PT測定試薬であるコアグピア® PT-Liquid(PT-L)の基礎的検討を行った。ホールピペット,マイクロピペットのいずれにおいても,ピペットで試薬調整し測定した場合には技師毎の測定値に有意差が認められた。調整操作が不要なPT-Lの基礎的性能評価では,正確性,同時再現性,オンボード安定性,希釈直線性,検出限界については良好な結果が得られ,干渉物質の影響については,遊離型ビリルビン,抱合型ビリルビン,ヘモグロビン,乳びは,いずれにも最終濃度まで影響を認めず,ヘパリンはPT正常域では0.8 U/mLまで,PT異常域では1.0 U/mLまで影響を認めなかった。PT-LとPT-Nとの相関性は,PT活性%で回帰式 y = 0.95x + 0.58,相関係数r = 0.99と良好であった。コアグピア® PT-Lは試薬調整に伴うエラーがないこと,調整に時間を要さずすぐに使えることなどからも利便性が高く臨床への貢献が期待される試薬であると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.20-144