男子ゆか運動の宙返りに関する技術発達史的研究 1970 年代から1980 年代にかけて

「I 緒言」 「1. 研究目的」 体操競技には膨大な数の"技"が存在している. それらはわれわれ体操競技に関わる競技者, 指導者および研究者が歴史の中で生み出してきたものであるが, 競技会で発表された運動形態のすべてが技として認められてきたというわけではない. 体操競技における技は, 非日常的驚異性と姿勢的簡潔性を備えたうえで, 他の運動でおきかえることのできない"あるまとまり"を示すことが必要であり, さらに, 多くの人が魅力を感じ, 好んで練習しようとする技術が内包され, 熟練性(Kunstfertigkeit)が高まるような特性を持っていなければな...

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Published in体育学研究 Vol. 64; no. 1; pp. 213 - 227
Main Authors 森井, 亮和, 渡辺, 良夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 17.06.2019
日本体育学会
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Summary:「I 緒言」 「1. 研究目的」 体操競技には膨大な数の"技"が存在している. それらはわれわれ体操競技に関わる競技者, 指導者および研究者が歴史の中で生み出してきたものであるが, 競技会で発表された運動形態のすべてが技として認められてきたというわけではない. 体操競技における技は, 非日常的驚異性と姿勢的簡潔性を備えたうえで, 他の運動でおきかえることのできない"あるまとまり"を示すことが必要であり, さらに, 多くの人が魅力を感じ, 好んで練習しようとする技術が内包され, 熟練性(Kunstfertigkeit)が高まるような特性を持っていなければならない(金子, 1974, pp.155-158). このような特性をもつ運動形態だけが技として認められ, 価値を持つことになるのである. しかし, ある時代において採点規則の難度表に技として掲載されたものであっても, 時代の流れの中で難度表から削除されてしまうこともある.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.18030