図書館の委託実態: 組織, 人員, コストはどのように変化したか
「抄録」多くの大学図書館で業務委託の導入が進められている. コア・コンピタンスの契機と考える図書館もあるが, しかし図書館主体の組織構築とは程遠いのが現実だ. 委託は図書館組織の最終形なのだろうか, ほかの選択肢はないのか. ここでは委託導入により組織, 人員, 運用コストはどのように変化したかの事例を通して, 主体的な組織構築のための戦略とイメージを提案する. 「はじめに」第9回図書館総合展(2007年)1)において, 帝京大学メディアライブラリーセンター(以下MELIC)の委託実態について報告する機会を得た. この報告の目的は, 1)MELICの委託状況を, これから委託に向かう図書館の参...
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Published in | 薬学図書館 Vol. 53; no. 1; pp. 47 - 52 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本薬学図書館協議会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 0386-2062 2186-070X |
DOI | 10.11291/jpla1956.53.47 |
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Summary: | 「抄録」多くの大学図書館で業務委託の導入が進められている. コア・コンピタンスの契機と考える図書館もあるが, しかし図書館主体の組織構築とは程遠いのが現実だ. 委託は図書館組織の最終形なのだろうか, ほかの選択肢はないのか. ここでは委託導入により組織, 人員, 運用コストはどのように変化したかの事例を通して, 主体的な組織構築のための戦略とイメージを提案する. 「はじめに」第9回図書館総合展(2007年)1)において, 帝京大学メディアライブラリーセンター(以下MELIC)の委託実態について報告する機会を得た. この報告の目的は, 1)MELICの委託状況を, これから委託に向かう図書館の参考にしてもらうこと2)現在行われている委託が図書館の経営体力自体を奪っている状況への対応策を考えることの2点である. スライドに沿って報告したものをほぼそのまま文章化したため, わかりにくい部分も多いがお許し願いたい. 「1. 委託の経緯と現状」MELICでは1999年の電算化の結果, 図書館業務の効率化が進んだことで, 経営トップから「職員数縮減」の方針が示された. 2001年より夜間開館延長実施を機に, 延長部分で業務委託を開始し, 以後目録データ作成の部分委託, 雑誌製本登録の委託を経て, 2005年には新規購入分の目録データ作成, 雑誌のチェックインと閲覧業務を全面委託へと切り替えた. |
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ISSN: | 0386-2062 2186-070X |
DOI: | 10.11291/jpla1956.53.47 |