救命救急センターにおけるフレイルを有する高齢患者の離床および転帰状況

【目的】救命救急センターに入室し,理学療法介入を行った高齢患者におけるフレイルの有症率とフレイルを有する高齢患者の離床および転帰状況について後方視的に調査すること。【方法】対象は2016年4月–2019年1月に当院救命救急センターへ入室し,理学療法介入を行った65歳以上の患者とし,施設入所者および死亡した患者を除外した。その後,Clinical Frailty Scale(以下,CFS)を用いてフレイル群(CFS ≥ 5)とノンフレイル群(CFS < 5)の2群に分類し,臨床的特徴について比較検討した。【結果】フレイル群は36名(23%),ノンフレイル群は123名であった。フレイル群はノ...

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Published in総合理学療法学 Vol. 4; pp. 11 - 19
Main Authors 松本, 忠義, 加藤, 良一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 大阪府理学療法士会生涯学習センター 2024
大阪府理学療法士会生涯学習センター
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ISSN2436-3871
2436-388X
DOI10.50918/cptr.2024-002

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Summary:【目的】救命救急センターに入室し,理学療法介入を行った高齢患者におけるフレイルの有症率とフレイルを有する高齢患者の離床および転帰状況について後方視的に調査すること。【方法】対象は2016年4月–2019年1月に当院救命救急センターへ入室し,理学療法介入を行った65歳以上の患者とし,施設入所者および死亡した患者を除外した。その後,Clinical Frailty Scale(以下,CFS)を用いてフレイル群(CFS ≥ 5)とノンフレイル群(CFS < 5)の2群に分類し,臨床的特徴について比較検討した。【結果】フレイル群は36名(23%),ノンフレイル群は123名であった。フレイル群はノンフレイル群と比較し,年齢と人工呼吸器装着率が有意に高く,入院中に歩行開始できた割合や退院時ICU Mobility Scale,自宅退院率が有意に低かった。しかし,性別と年齢を調整した結果では,自宅退院率に有意な関連は認められなかった。【結論】入院前よりフレイルを呈する高齢患者は,入院中に歩行練習が開始できず,退院時に移動能力が低下している可能性が示唆されたが,転帰との関連はなかった。
ISSN:2436-3871
2436-388X
DOI:10.50918/cptr.2024-002