臓器置換を目指す肝オルガノイド研究の新展開
「はじめに」臨床的有効性が明確である移植医療において, その最重要課題がドナー臓器の絶対的不足への対応であることは明らかである. 例えば, 米国における臓器移植の実施件数と待機人数との乖離は, 1989年には数千名の範囲内に収まっていたにもかかわらず, その後の乖離状況は悪化の一途をたどっており, 2013年には10万人近くに著明に増大しているのが現状である (United Network for Organ Sharing : UNOS). すなわち, 米国だけで, 毎年, なんと10万人近くの臓器不全患者が移植手術を待ちながら移植を受けることができない状況が厳然として存在しているのである....
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 52; no. 4-5; pp. 310 - 317 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2017
日本移植学会 The Japan Society for Transplantation |
Subjects | |
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.52.4-5_310 |
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Summary: | 「はじめに」臨床的有効性が明確である移植医療において, その最重要課題がドナー臓器の絶対的不足への対応であることは明らかである. 例えば, 米国における臓器移植の実施件数と待機人数との乖離は, 1989年には数千名の範囲内に収まっていたにもかかわらず, その後の乖離状況は悪化の一途をたどっており, 2013年には10万人近くに著明に増大しているのが現状である (United Network for Organ Sharing : UNOS). すなわち, 米国だけで, 毎年, なんと10万人近くの臓器不全患者が移植手術を待ちながら移植を受けることができない状況が厳然として存在しているのである. 致死的な重症肝不全患者を対象とする肝臓移植においては, 米国における1年間に新規発生する待機リスト登録者約17,000名のうち, 実に約4,000名の患者が臓器移植を待ちながら, ドナー肝臓が届くことなく死亡している. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.52.4-5_310 |