腹腔内腫瘤に対するCTガイド下生検における迅速細胞診検査の有用性

腹腔内腫瘤では原発性悪性腫瘍,転移性腫瘍,悪性リンパ腫や反応性病変などの鑑別のため,生検組織による組織診断が行われる。今回,腹腔内腫瘤の針生検時に迅速細胞診検査が併用された69例の細胞診と組織診の診断結果などについて比較を行い,迅速細胞診検査併用の有用性を検討した。組織診断に対する迅速細胞診断の正確度は91.3%と良好であった。また,迅速細胞診検査で悪性リンパ腫を鑑別にあげた31例のうち15例では,同日に採取された針生検検体の一部が免疫学的表現型検索のためのフローサイトメトリーに提出され,14例で解析可能な結果が得られていた。腹腔内腫瘤の針生検に迅速細胞診検査を併用して細胞を評価することにより...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 65; no. 4; pp. 392 - 398
Main Authors 布瀬川, 卓也, 土田, 秀, 神山, 晴美, 富岡, 千鶴子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.07.2016
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.16-7

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Summary:腹腔内腫瘤では原発性悪性腫瘍,転移性腫瘍,悪性リンパ腫や反応性病変などの鑑別のため,生検組織による組織診断が行われる。今回,腹腔内腫瘤の針生検時に迅速細胞診検査が併用された69例の細胞診と組織診の診断結果などについて比較を行い,迅速細胞診検査併用の有用性を検討した。組織診断に対する迅速細胞診断の正確度は91.3%と良好であった。また,迅速細胞診検査で悪性リンパ腫を鑑別にあげた31例のうち15例では,同日に採取された針生検検体の一部が免疫学的表現型検索のためのフローサイトメトリーに提出され,14例で解析可能な結果が得られていた。腹腔内腫瘤の針生検に迅速細胞診検査を併用して細胞を評価することにより,採取組織の評価だけでなく追加検査の提案が可能となり,精度の高い診断につながるものと思われた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.16-7