肺移植後のサイトメガロウイルス感染

「はじめに」1983年にTorontoグループが世界初の肺移植を成功裡に施行して以来, 35年が過ぎた. 本邦でも, 1997年に「臓器の移植に関する法律」 (臓器移植法) が施行され, 1998年に, 本邦初の生体肺移植, 2000年には脳死肺移植が行われ, 現在までに, 600例を超す肺移植が行われた. 本邦の肺移植は, 海外のこれまでの経験にならった上で, 綿密な周術期管理が各実施施設で行われており, 世界標準よりも移植後の成績がよいことが大きな特徴である. しかしながら, 本邦でも, 5年生存率は未だ70%を超える程度であり, 慢性期の死亡原因の一つとしての感染症の管理とその克服は大き...

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Published in移植 Vol. 53; no. 4-5; pp. 263 - 268
Main Authors 陳, 豊史, 大畑, 恵資, 高橋, 耕治, 山田, 義人, 豊, 洋次郎, 中島, 大輔, 濱路, 政嗣, 大角, 明宏, 伊達, 洋至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2018
日本移植学会
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Summary:「はじめに」1983年にTorontoグループが世界初の肺移植を成功裡に施行して以来, 35年が過ぎた. 本邦でも, 1997年に「臓器の移植に関する法律」 (臓器移植法) が施行され, 1998年に, 本邦初の生体肺移植, 2000年には脳死肺移植が行われ, 現在までに, 600例を超す肺移植が行われた. 本邦の肺移植は, 海外のこれまでの経験にならった上で, 綿密な周術期管理が各実施施設で行われており, 世界標準よりも移植後の成績がよいことが大きな特徴である. しかしながら, 本邦でも, 5年生存率は未だ70%を超える程度であり, 慢性期の死亡原因の一つとしての感染症の管理とその克服は大きな課題である. 免疫抑制剤が一生やめられない肺移植患者における感染症は大きな問題で, 本稿では, 最大のテーマの一つであるサイトメガロウイルス (CMV) 感染を扱う.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.53.4-5_263